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2013年7月19日

バリアフリーとモラ

我が家は玄関に2段の階段があり、玄関の上がり口に10センチちょっとの差があるだけで、
後はバリアフリー。

家を建てる時、妹が障害者の自立支援を仕事にしているので、
車いすの方でも行かれる所にして欲しい…..と言われ、
彼女の指示でバリアフリーや車いすの方が使いやすい
客間やトイレ、洗面所、お風呂にしました。
でも、私には実感がありませんでした。
だって、私は健常者だから。

今まで車いすの利用者さんがお越し下さる時は、
介助の仕事をされている方を伴ってお越し下さっていました。
先日初めて、親子、それも女性2名でお越し下さる予約をいただきました。
え!?大丈夫なんだろうか…..。
正直、ちょっと心配になり
我が家の写真、
玄関前、お風呂、トイレ、客間を撮り、お送りしました。
その写真をご覧になった娘さんから返信をいただき、
大丈夫そう…..
と言っていただきましたが、
ドキドキして当日を迎えました。

お母様のお年を事前にお聞きしていたのですが、
びっくりする程お元気で、
娘さんも素敵なキャリアウーマン風だし、
イメージと違うのです。
なんか、お二人ともカッコいい!
ちっとも疲れていらっしゃらない。

で、我が家が本当にバリアフリーなのか、試される時が来ました。
結論から言うと、
自信を持っていいんだということがわかりました。
(お風呂には一つ、補助的な板をご持参下さいました。)
妹はよく、
「ここまで(月のもりまで)来る人は、行動力のある
障害者だから……」
って言っているけど、
本当にお二人はアクティブ。
しかも明るい。
とにかくお母様がポジティブでお元気。
だって、ご病気で利き手が使えなくなってしまったのに、
左手で上手にお箸でご飯を召し上がられるんですよ。
普通、ご高齢だったらお箸を諦め、
スプーンとフォークでしょ。
お召し上がり下さっている光景は神々しく、そして
チャーミング。
きっと、ここまで使いこなせるようになるには、
娘さんの根気強さがなければ、
成し遂げられなかったことでしょう。
お箸の練習を始められたときは、こぼす量の方が多かったんだろうな〜。
でも、上達すると信じていた娘さんがいらしたから、
お母様も頑張れたんだろうな〜。
そんな親子の強い絆がひしひしと伝わって来ました。
お二人で旅行に出られるのも、きっと最初はご苦労があったことでしょう。
でも、お二人の明るさと逞しさで
思い出にされてきたんだろうな〜。
諦めちゃ〜いけないね。
頑張る力を与えてくれるパートナーの存在ってスゴいね。
お二人から、沢山のメッセージをいただきました。
そして、もう一ついただいた物がこれ。
モラ。



南米の山岳エリアの手芸なんだそうです。
布が何枚にも重なっており
こまか〜〜〜く縫い付けられています。
びっくりしたし、感激しました。
本当に細い細い糸で縫い付けられているのですが、
私にはどこか農作業の地道な手仕事にダブって見えるところがあって….。
手仕事のその無心さに感動します。
欲も邪念も無い、没頭する時間の積み重ね。
私もこんな農作業をしたい。
今年のクリスマスには、このモラをリビングに飾ります。

ちなみに、お母様が今、励んでいらっしゃるのは毛筆。
拝見させていただきましたが、私は恥ずかしくなってしまいました。
とても左手とは思えません。
満面の笑みでお母様は何度もおっしゃっていました。
「みんなやらないだけなのよ。」
手を貸し過ぎても
無視し過ぎてもいけない。
親子の絶妙な距離感に感服。

もしかしたら、健常者は甘え過ぎではないだろうか?

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